外貨建て保険 vs 米国債|10年払ってわかった乗り換えの判断ポイントと試算【保険見直し体験談】

節約・損しないお金の知恵

この記事は、外貨建て生命保険を途中解約し、代わりに米国債を購入した体験談です。
お金の知識が足りない私なりにすごく悩んで調べて、最終的に「絶対こうした方がいい!」と思い行動にうつすことができたので、その経緯などをご紹介したい。

加入のきっかけは「家族のために貯蓄型の保険を選んだ」

今から10年ほど前の2014年に、外貨建て生命保険に加入した。
結婚して少したった頃で、奥さんや今後生まれるかもしれない子供のために、自分に万が一のことがあった時、家族が困らないようにと考えて、保険の代理店へ相談をしに行った。

私からは、「掛け捨てより貯蓄型の方が好み」ということだけ伝えていたように思う。
いくつか商品を紹介してもらった中で選んだのが、「ソニー生命の米ドル建終身保険」だった。

加入していたのはソニー生命の米ドル建終身保険|基本内容を紹介

契約の概要は以下の通り:

  • 払込期間:2014年~2030年(16年払い)
  • 月々の保険料:181.75ドル
  • 死亡保険金額:70,500ドル

この保険の特徴は、「満期後も解約返戻金が少しずつ増えていく」ことだった。
以下が当時もらった資料に載っていた返戻金のシミュレーション:

  • 5年目…8,022ドル(支払額:約10,900ドル)
  • 10年目…18,429ドル(支払額:約21,800ドル)
  • 15年目…29,666ドル(支払額:約32,700ドル)
  • 20年目…35,201ドル(支払額:約35,000ドル)
  • 25年目…39,310ドル(支払額:約35,000ドル[払込済み])
  • 30年目…43,696ドル(支払額:約35,000ドル[払込済み])
  • 60年目…66,390ドル(支払額:約35,000ドル[払込済み])

いわゆる終身型の保険で、死亡保障は一生続く。満期後も返戻金は増え続けるが、途中解約だと損をする構造だった。
当時は投資をほぼ行なっておらず、貯めたお金は銀行に預けておくだけだったので、「すぐ使わないお金があるなら銀行に預けておくよりお得」と考えた。
また、円だけでなくドルでも資産を持てるという点も、為替リスクの分散ができて良いと感じていた。

「単利」と気づいた10年目の違和感|他の商品と比較してみた

保険に加入してから10年目。契約内容を改めて見直していたときに、最近始めた投資と比べると「返戻金の増え方が少ない」と感じてきた。

よく見てみると、保険の運用利率は 年利2%ほどの単利 だった。
当時はそこに意識が向いておらず、「時間が経てばじわじわ増えるもの」と思い込んでいたけれど、投資について少しずつ学んできた今の自分からすると「これはちょっと違うな」と思った。

そもそもこの外貨建て生命保険は、保障と資産運用がセットになった商品。
家族のための「保険」のつもりで契約していたけれど、気づけば「お金を増やすための投資商品」として評価し始めていた自分がいた。

そこで、改めて「今この保険を続ける意味があるのか?」を考えて、他の選択肢を比較してみることにした。

  • 案1:投資信託(S&P500)…将来性はあるが、値動きが大きくリスク高め
  • 案2:米国債(ストリップス債)…為替リスクは保険と同じだが、複利で利回りも高い
  • 案3:債券ETF(AGG)…安定しているが、期待リターンは控えめ

それぞれの特性を見比べた結果、「案2:米国債(ストリップス債)」が、今の外貨建て保険と比べてリスクが大きく変わらず、リターンは上回ると判断。
つまり、保険よりも合理的で自分に合った商品だと思えた。

保険 vs 米国債の試算比較|15年後に約130万円の差が出る試算に

外貨建て保険を続けた場合と、今すぐ解約して米国債に乗り換えた場合とで、将来的な金額の差をざっくり試算してみた。

試算の条件は以下の通り:

  • 保険はこのまま満期(あと5年)まで保険料を支払い続ける前提
  • 米国債には、今後の保険料分も含めて投資する(Apple to Apple 比較)
  • 為替は1ドル=140円で固定して試算
保険の返戻金(USD) 米国債(USD)
2025 19,667 21,666
2026 22,743 24,739
2027 24,985 27,852
2028 27,291 31,007
2029 29,666 34,207
2030 32,106 36,180
2035 35,997 42,273
2040 40,164 49,879
2045 44,571 59,859

この結果から見えてきたのは、15年後で約9,700ドル、20年後には約15,000ドルの差が出るということ。
税引き後で多少変わるかもしれないが、ざっくり130万円以上の差になる計算になった。

もちろん、どちらも為替リスクは同様にあるが、それでも米国債の方が「複利で増え続ける」という点で大きな違いがあると感じた。
保険は一見安全に見えるけれど、「お金を増やす」という目的で見ると、やっぱり米国債の方が魅力的に思えた。

実際に保険を解約してどう動いた?私の選んだ次の選択肢

最終的に、私はこの外貨建て生命保険を途中で解約することにした。

10年間かけて積み立ててきたものを途中でやめるのは、少し怖さもあったけれど、「このまま満期まで続ける方が後悔する」と思った。

実際に解約して返戻金を受け取り、それを元手に 米国債(ストリップス債)を期間分散で購入。
いきなり全額を一つの債券に突っ込むのはリスクがあると思ったので、数年ずつ満期が異なるように複数に分散して買った。

一方で、この保険を解約するということは、死亡保障がゼロになるということでもある。
これまであった安心感がなくなるわけで、それは正直ちょっと不安だった。

なので、今後は掛け捨てタイプの生命保険を必要に応じて検討していく予定。
仮に月々5,000円程度の保険料を払ったとしても、それを加味しても米国債の方が手元に残るお金は多くなる、という試算になった。

米国債ってどんな種類がある?私が選んだ購入先と理由

保険の代わりに選んだのが「米国債」。でも、一口に米国債といってもいくつか種類がある。

主な種類はこの2つ:

  • トレジャリーボンド…年2回利息が支払われるタイプ。定期的な利息収入がほしい人向け
  • ストリップス債(ゼロクーポン債)…満期まで利息はなく、元本+利息がまとめて返ってくるタイプ。複利で増える

私は「ストリップス債」を選んだ。

理由は、しばらく使わないお金の運用としては「複利で増えるストリップス債」の方が効率がよかったから。

購入先はSBI証券。
楽天証券も調べたが、取り扱っている米国債の種類が少なかったので、最終的にSBIを選んだ。

口座開設から購入まではすごく簡単で、平日の日中ならリアルタイムで注文できるし、為替レートもその場で決まる。
米国債を買おう!なんて思ったのは最近のことで、実際どんなものかと思っていたが、「こんなに簡単に買えるんだ」と正直驚いた。

少しでも興味があれば、まずは口座開設だけでもしておくといいと思う。実際にやってみると、想像以上にハードルは低かった。

SBI証券を申し込みはこちら

SBI証券で米国債を買う手順(イメージ)

米国債の買い方は以下のイメージ:

  1. ブラウザで、「SBI証券 米国債」と検索
  2. 検索結果の、「外貨建債券」を選択
  3. 下部に、米国国債の一覧が表示される

[例]

通貨 発行体 参考単価 利回り(複利) 償還日 残存期間
米ドル 米国国債(ストリップス債) 51.99 4.403% 2040/5/15 約15.1年
  • 償還日 … この日付に金利込みのお金が返ってくる
  • 参考単価(51.99) … 51.99ドルで債券を購入した場合、償還日に100ドルになって返ってくる
  • 残存期間が15.1年なので、ドルベースで元本が192.3%となる(年利4.4%)

実際に購入する場合は、さらにその下の「債券 新取引サイト」を選択して、
SBI証券にログインすれば購入へ進む。

気づいた今だから変えられた|保険の見直しは「遅くない」

10年前、当時の自分は「家族を守るために貯蓄型の保険に入る」という選択をした。
それはそのときなりに真剣に考えて出した結論だった。

でも、年月が経って少しずつ知識を得ていく中で、同じ選択肢に対して違った見方ができるようになった。

正直なところ、10年前の自分は勉強不足だったなと思った。結局高い手数料を保険会社に支払ってしまったが、勉強代と思ったのと、
むしろ今気づけて良かったかなと思う。今回の選択で15年後の自分が「あの時米国債に買い替えて良かったな~」と思いたい。

「気づいたときが見直しのタイミング」。


以上

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